DJI社Zenmuse L3 比較検証レポート

テスト日: 2025年12月23日-2026年1月16日
テスト場所 :兵庫県小野市 株式会社神戸清光 小野トレーニングセンター
テスト実施: 株式会社神戸清光 DJIインストラクター 藤井達也

 2025年12月23日から弊社小野トレーニングセンターにおいて実施したDJI社の新型LiDARセンサーZenmuse L3の性能検証結果を報告する。
検証方法は、前モデルのZenmuse L2と比較する形で行った。同エリアを高度50m時と高度100m時でエリアミッション飛行を実施し、可能な限り同じ設定(あるいは各機種の最高性能)にて行い、計測した点群データをいろいろと比較してみた。

 はじめに筆者所感として、2025年11月某日にDJI Zenmuse L3が発表され、その詳細スペックが判明した時は、正直少し残念だった。
なぜならZenmuse L2が非常に完成度の高い製品で、設定方法や使い勝手もシンプルで非常に良かったため、そのL2の後継機種が2年の短期間のうちに発表されるのであれば、いつものごとくもっと革新的な製品を連想していたからだ。

 発表されたスペックを見る限りでは、IMUや測距精度に関しても若干向上はしているものの点群システム精度自体は地上スキャナー並みに大幅に向上したわけではなく、ましてや今巷で話題になっているSLAM技術が導入され、非GPS下や手持ちでの計測が可能になるというわけでもなく・・・

 大きく進歩した点としては、測定距離の大幅な向上とレーザースポットサイズの大幅縮小、搭載カメラの1億画素化などでレーザースポットサイズ以外は、筆者が求めている機能とは少し乖離があった。

 だが、実際にL3の実機を使用してみて、なかなか興味深い結果となったことをお伝えしておく。
いつもの事ながら、この製品を短期間にこの価格帯で市場に投入できるDJI社の技術力や機動力にはいつも驚かされるばかりだ---

Zenmuse L1/L2/L3の外観と発表日

Fig.1 Zenmuse L1/L2/L3の外観と発表日
DJIが初めてドローン用LiDARジンバルL1を発表して5年、次期モデルのL2発表からは2年しか経っていない。 
L2までのLiDAR部はLivox社Aviaをベースに開発されているが、L3は完全な専用モデルとなっている。そのため波長も異なっており(L1/L2は905nm、L3は1535nm)、照射部パネルの色もL1/L2とは全く別物となっている。
またL3は本体重量が1.6kgあり、ドローンに標準搭載のジンバルアダプターでは重量オーバーのため、L3本体には専用の強化ジンバルアダプターが同梱されており、換装して使用する。

1.DJI Zenmuse L3主な仕様(対Zenmuse L2)

1. DJI Zenmuse L3主な仕様(対Zenmuse L2)

2. 飛行条件およびミッション設定項目

2. 飛行条件およびミッション設定項目

3. ミッション計画(飛行範囲と飛行ルート)

L3高度50m時の範囲とルート

Fig.2 L3高度50m時の範囲とルート
FOVの違いから同じサイドラップ率でもL3の方は3側線となり、L2は4測線となった
そのためか飛行時間は若干短縮されるが、パルスレートは4倍の差があがるにもかかわらず、計算上の平均計測密度はくしくも同じ値となった

L2高度50m時の範囲とルート

Fig.3 L2高度50m時の範囲とルート

L3高度100m時の範囲とルート

Fig.4 L3高度100m時の範囲とルート
こちらもL3は3測線、L2は4測線となった。
高度100m時はL3のパルスレートを350kHzとしたため、計算上の平均点群密度はL2の方が大きくなっている

L2高度100m時の範囲とルート

Fig.5 L2高度100m時の範囲とルート

4. 計測結果(点群密度および均一性)

L3高度50m計測結果

Fig.6 L3高度50m計測結果
L3から動的IMUキャリブレーション時の折り返し部が自動的に計測されなくなった

L2高度50m計億結果

Fig.7 L2高度50m計億結果
こちらは動的IMUキャリブレーション時の折り返し部も標準では残ってしまう
※DJI TERRA最新版では飛行軌跡の編集が可能となったので、後から不要な軌跡を削除することは出来る

L3高度50m計測結果(飛行軌跡表示)

Fig.8 L3高度50m計測結果(飛行軌跡表示)

L2高度50m計測結果(飛行軌跡表示)

Fig.9 L2高度50m計測結果(飛行軌跡表示)

L3高度50m計測結果(拡大1)

Fig.10 L3高度50m計測結果(拡大1)
RGBの色付きも非常によく点群の再現性も非常に高い

L2高度50m計測結果(拡大1)

Fig.11 L2高度50m計測結果(拡大1)
こちらも非常にきれいに見えるが、L3と比べると若干解像度が低いように見える

L3高度50m計測結果(拡大2)

Fig.12 L3高度50m計測結果(拡大2)
建物屋根の波型形状がハッキリと分かる

L2高度50m計測結果(拡大2)

Fig.13 L2高度50m計測結果(拡大2)
やはりL3と比べると解像度が低い

L3高度100m計測結果

Fig.14 L3高度100m計測結果
この距離だとどちらも差は感じられない

L2高度100m計測結果

Fig.15 L2高度100m計測結果

L3高度100m計測結果(飛行軌跡表示)

Fig.16 L3高度100m計測結果(飛行軌跡表示)

L2高度100m計測結果(飛行軌跡表示)

Fig.17 L2高度100m計測結果(飛行軌跡表示)

L3高度100m計測結果(拡大1)

Fig.18 L3高度100m計測結果(拡大1)
L3の計測モードはいずれも直線とした。
100m高度でも色付きや再現性は非常に高い

L2高度100m計測結果(拡大1)

Fig.19 L2高度100m計測結果(拡大1)
L2は高度100mでは非反復としたため点群の均一性は非常に高い

L3高度100m計測結果(拡大2)

Fig.20 L3高度100m計測結果(拡大2)
パルスレート350kHzのため点群密度はそれなりだが建物の輪郭はL2よりもハッキリとしている印象

L2高度100m計測結果(拡大2)

Fig.21 L2高度100m計測結果(拡大2)
L2の非反復モードは点群の均一性としてはL2/L3含めて一番高く測線の境界が分からないほどだ

5. 断面データ比較(Zenmuse L3/L2点群データ比較)
 飛行高度50m

Zenmuse L3/L2点群データ比較用断面抽出位置

Fig.22 Zenmuse L3/L2点群データ比較用断面抽出位置

Zenmuse L3高度50m断面① 全体

Fig.23 Zenmuse L3高度50m断面① 全体
※スライス幅:高度50m時は0.1mで統一

Zenmuse L2高度50m断面① 全体

Fig.24 Zenmuse L2高度50m断面① 全体
※スライス幅:高度50m時は0.1mで統一

Zenmuse L3高度50m断面① 上図赤枠拡大

Fig.25 Zenmuse L3高度50m断面① 上図赤枠拡大
波型の形状がよりハッキリと鮮明に表現されている

Zenmuse L2高度50m断面① 上図赤枠拡大

Fig.26 Zenmuse L2高度50m断面① 上図赤枠拡大
屋根の波型の形状はハッキリと分かるが若干ノイズも目立つ

Fig.27 Zenmuse L3高度50m断面② 全体

Fig.27 Zenmuse L3高度50m断面② 全体

Fig.28 Zenmuse L2高度50m断面② 全体

Fig.28 Zenmuse L2高度50m断面② 全体

Fig.29 Zenmuse L3高度50m断面② 上図赤枠拡大  道路側溝上部の段差がハッキリと表現されている

Fig.29 Zenmuse L3高度50m断面② 上図赤枠拡大
道路側溝上部の段差がハッキリと表現されている

Fig.30 Zenmuse L2高度50m断面② 上図赤枠拡大  道路側溝の形状は分かるが上部の段差までは明確ではない

Fig.30 Zenmuse L2高度50m断面② 上図赤枠拡大
道路側溝の形状は分かるが上部の段差までは明確ではない

Fig.31 Zenmuse L3高度50m断面② 上図赤枠拡大  畑部分の地形がより忠実に再現されており植生部とより明確に分離されている印象を受ける

Fig.31 Zenmuse L3高度50m断面② 上図赤枠拡大
畑部分の地形がより忠実に再現されており植生部とより明確に分離されている印象を受ける

Fig.32 Zenmuse L2高度50m断面② 上図赤枠拡大

Fig.32 Zenmuse L2高度50m断面② 上図赤枠拡大

Fig.33 Zenmuse L3高度50m断面③ 全体 全体だとパッと見での違いは分からない

Fig.33 Zenmuse L3高度50m断面③ 全体
全体だとパッと見での違いは分からない

Fig.34 Zenmuse L2高度50m断面③ 全体

Fig.34 Zenmuse L2高度50m断面③ 全体

Fig.35 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大 拡大すると波型の形状がよりハッキリと鮮明に再現されているのが分かる

Fig.35 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大
拡大すると波型の形状がよりハッキリと鮮明に再現されているのが分かる

Fig.36 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大 計測スピードの差が影響してか点の密度が低く、再現性もL3には若干ではあるが劣る

Fig.36 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大
計測スピードの差が影響してか点の密度が低く、再現性もL3には若干ではあるが劣る

Fig.37 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大  こちらも同じ

Fig.37 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大
こちらも同じ

Fig.38 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大  こちらも同じ

Fig.38 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大
こちらも同じ

Fig.39 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大 こちらの側溝上部段差も断面②と同じくハッキリと再現されている

Fig.39 Zenmuse L3高度50m断面③ 上図赤枠拡大
こちらの側溝上部段差も断面②と同じくハッキリと再現されている

Fig.40 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大 断面②と同様でL3ほど明確ではなく、点群密度もコース位置の兼ね合いもあってか劇的に粗い

Fig.40 Zenmuse L2高度50m断面③ 上図赤枠拡大
断面②と同様でL3ほど明確ではなく、点群密度もコース位置の兼ね合いもあってか劇的に粗い

Fig.41 Zenmuse L3高度50m断面④ 全体 全体だとこちらもそれほど差を感じない

Fig.41 Zenmuse L3高度50m断面④ 全体
全体だとこちらもそれほど差を感じない

Fig.42 Zenmuse L2高度50m断面④ 全体

Fig.42 Zenmuse L2高度50m断面④ 全体

Fig.43 Zenmuse L3高度50m断面④ 上図赤枠拡大 筒状のオブジェクトの形状がよりハッキリと再現されている

Fig.43 Zenmuse L3高度50m断面④ 上図赤枠拡大
筒状のオブジェクトの形状がよりハッキリと再現されている

Fig.44 Zenmuse L2高度50m断面④ 上図赤枠拡大

Fig.44 Zenmuse L2高度50m断面④ 上図赤枠拡大

Fig.45 Zenmuse L3高度50m断面④ 上図赤枠拡大 若干ではあるが植生部地表面の形状がL2よりもよく取得されている

Fig.45 Zenmuse L3高度50m断面④ 上図赤枠拡大
若干ではあるが植生部地表面の形状がL2よりもよく取得されている

Fig.46 Zenmuse L2高度50m断面④ 上図赤枠拡大

Fig.46 Zenmuse L2高度50m断面④ 上図赤枠拡大

Fig.47 Zenmuse L3高度50m断面⑤ 全体  本条件での地表面の取得差は感じられない

Fig.47 Zenmuse L3高度50m断面⑤ 全体
本条件での地表面の取得差は感じられない

Fig.48 Zenmuse L2高度50m断面⑤ 全体

Fig.48 Zenmuse L2高度50m断面⑤ 全体

Fig.49 Zenmuse L3高度50m断面⑤ 上図赤枠拡大  側溝上部の段差はここでもハッキリと差が出ている

Fig.49 Zenmuse L3高度50m断面⑤ 上図赤枠拡大
側溝上部の段差はここでもハッキリと差が出ている

Fig.50 Zenmuse L2高度50m断面⑤ 上図赤枠拡大  エッジ部が若干潰れている

Fig.50 Zenmuse L2高度50m断面⑤ 上図赤枠拡大
エッジ部が若干潰れている

6.断面データ比較(Zenmuse L3/L2点群データ比較) 飛行高度100m

Fig.51 Zenmuse L3/L2点群データ比較用断面抽出位置

Fig.51 Zenmuse L3/L2点群データ比較用断面抽出位置

Fig.52 Zenmuse L3高度100m断面⑥ 全体  ※スライス幅:高度100m時は0.2mで統一

Fig.52 Zenmuse L3高度100m断面⑥ 全体
※スライス幅:高度100m時は0.2mで統一

Fig.53 Zenmuse L2高度100m断面⑥ 全体  ※スライス幅:高度100m時は0.2mで統一

Fig.53 Zenmuse L2高度100m断面⑥ 全体
※スライス幅:高度100m時は0.2mで統一

Fig.54 Zenmuse L3高度100m断面⑥ 上図赤枠拡大 50m時には劣るが、100m高度においても波型形状はハッキリと分かる

Fig.54 Zenmuse L3高度100m断面⑥ 上図赤枠拡大
50m時には劣るが、100m高度においても波型形状はハッキリと分かる

Fig.55 Zenmuse L2高度100m断面⑥ 上図赤枠拡大 形状は潰れてしまっている

Fig.55 Zenmuse L2高度100m断面⑥ 上図赤枠拡大
形状は潰れてしまっている

Fig.56 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 全体

Fig.56 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 全体

Fig.57 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 全体

Fig.57 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 全体

Fig.58 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大  こちらの屋根の波型形状がハッキリと再現されている

Fig.58 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大
こちらの屋根の波型形状がハッキリと再現されている

Fig.59 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大  波型の形状であるかは分からない

Fig.59 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大
波型の形状であるかは分からない

Fig.60 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大 50m時と同様に側溝上部の段差も再現されている

Fig.60 Zenmuse L3高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大
50m時と同様に側溝上部の段差も再現されている

Fig.61 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大 断面が少し潰れている

Fig.61 Zenmuse L2高度100m断面⑦ 上図赤枠拡大
断面が少し潰れている

Fig.62 Zenmuse L3高度100m断面⑧ 全体 植生下部の地形の差は特に感じられないが、植生中間部のデータ量が多い

Fig.62 Zenmuse L3高度100m断面⑧ 全体
植生下部の地形の差は特に感じられないが、植生中間部のデータ量が多い

Fig.63 Zenmuse L2高度100m断面⑧ 全体

Fig.63 Zenmuse L2高度100m断面⑧ 全体

Fig.64 Zenmuse L3高度100m断面⑨ 全体 こちらも大きな差は感じられない

Fig.64 Zenmuse L3高度100m断面⑨ 全体
こちらも大きな差は感じられない

Fig.65 Zenmuse L2高度100m断面⑨ 全体

Fig.65 Zenmuse L2高度100m断面⑨ 全体

Fig.66 Zenmuse L3高度100m断面⑨ 拡大  本条件での地表面の取得差は感じられないが、こちらも植生中間部のデータ量が多い

Fig.66 Zenmuse L3高度100m断面⑨ 拡大
本条件での地表面の取得差は感じられないが、こちらも植生中間部のデータ量が多い

Fig.67 Zenmuse L2高度100m断面⑨ 拡大

Fig.67 Zenmuse L2高度100m断面⑨ 拡大

Fig.68 Zenmuse L3高度100m断面⑩ 全体  大きな差は感じられない

Fig.68 Zenmuse L3高度100m断面⑩ 全体
大きな差は感じられない

Fig.69 Zenmuse L2高度100m断面⑩ 全体

Fig.69 Zenmuse L2高度100m断面⑩ 全体

Fig.70 Zenmuse L3高度100m断面⑩ 拡大  地形部の差はないが、植生部の点群量は確実に多い

Fig.70 Zenmuse L3高度100m断面⑩ 拡大
地形部の差はないが、植生部の点群量は確実に多い

Fig.71 Zenmuse L2高度100m断面⑩ 拡大

Fig.71 Zenmuse L2高度100m断面⑩ 拡大

7.考察

 今回の比較検証結果を見てL3の構造物詳細部分の再現性の高さにまず驚かされた。
スペック的に言うと、点群データのシステム精度は、L2=垂直精度4cm/水平精度5cm(高度150m時)、L3=垂直精度3cm/水平精度4cm(高度120m時)と高度の違いは若干あるものの、数字的には2~3割程度の向上に対して、実際のデータを確認すると体感的にではあるが倍以上の再現性の高さと感じた。

 これぐらいの再現性の高さがあれば、地上スキャナーとのデータの結合にも十分使用できるし、1000万円以上する高価なドローンLiDARとも勝負が出来るのではないかと思う。
また、L2の場合は高度50mから100mへ距離が長くなることでの再現性の劣化が顕著であるのに対して、L3に関しては高度100m位までは高い再現性が維持されており、これが非常に有効であると感じた。

 これらの事象についてはLiDARセンサーやIMUユニットの精度向上はもちろんであるが、やはり一番貢献しているのがレーザースポット径の小ささではないかと思う。
レーザースポット径が小さいことで構造物のエッジ部をより正確に捉えることが出来るようになるし、樹冠部の貫通に関してもより有利になることは間違いない。
樹冠部貫通に関しては今回のテスト環境では、大きな差を確認することは出来なかったが、植生表面や地表面の形状、また植生部の中間データの取得の仕方などの違いは感じられた。
 
 DJI社がドローンLiDAR(Zenmuse L1)を初めて発表してから丸5年…L1発表時から携わってきたが、L2、L3へと確実にしかも大幅に機能がアップデートされて来ており、冒頭でも記述したがこの価格帯においてこれだけの機能を有した機器をまた誰にでも簡単に使用できるソリューションとして提供できる技術力にはいつも驚かされるばかりである。

 ただ、気になる部分もある。
今回L3で比較用に使用した点群測定モードは、直線モードのみとなっている。
L2においては、再現性の高さを求めるなら直線モード、樹冠部の貫通や点群の均一性を求めるなら繰り返しなし(非反復)モードを選択すると分かり易く決まっていたが、L3に関しては、直線モード以外の繰り返しなしモードと星形モードにおける点群のバラつきの大きさから、L3に関しては今回の比較テストでは直線モードのみを使用することにした。
測定の目的がマニュアル飛行時や樹冠部の貫通のみであるなら、L3でも繰り返しなし(非反復)モードの使用も十分に考えられるが、測定対象物に構造物や道路などが含まれる場合は、非常に見栄えが悪い印象を受ける。

 また測定時の設定パラメータの種類が多く、使用するための条件も多いため、目的に応じたどの組み合わせが適しているのか、まだまだ色々試してみる必要があると思っている。
点群のバラツキや秒速100万点以上の測定時に発生するノイズに関しては、今後のファームウェアのアップデート等で改善されることを望みたい。

Fig.72 L3高度100m繰り返しなしモード  網目模様のようなバラツキが見られる

Fig.72 L3高度100m繰り返しなしモード
網目模様のようなバラツキが見られる

Fig.73 L2高度100m繰り返しなしモード 網目模様は見られるが細かいためあまり気にならない

Fig.73 L2高度100m繰り返しなしモード
網目模様は見られるが細かいためあまり気にならない

Fig.74 L3高度100m繰り返しなしモード 鳥瞰視点 点群のバラツキが非常に気になった

Fig.74 L3高度100m繰り返しなしモード 鳥瞰視点
点群のバラツキが非常に気になった

Fig.75 L2高度100m繰り返しなしモード 鳥瞰視点 点群の均一性は非常に高い

Fig.75 L2高度100m繰り返しなしモード 鳥瞰視点
点群の均一性は非常に高い

作成 株式会社神戸清光 DJIインストラクター 藤井達也