「3次元測量」を“会社の柱”に。
進み続けるジオテクニカル株式会社 様。

2022年1月26日(水)にジオテクニカル株式会社 様(大阪府松原市)に神戸清光が納品を行った。
本記事ではその様子をみなさまへお伝えする。

当日は、ライカ「Leica Pegasus:Two」/ DJI「Matrice 300 RTK」「Zenmuse L1」の納品を行った。
MMS(モービルマッピングシステム)とレーザードローンだ。もともと地籍測量を得意とするジオテクニカル株式会社様だが、本製品を通して地上と上空から更にハイレベルな3次元測量を狙う。

ジオテクニカル株式会社代表取締役  小松一也氏。

▲ジオテクニカル株式会社代表取締役
小松一也氏。

ライカ「Leica Pegasus:Two」
「Leica Pegasus:Two」はMMS(モービルマッピングシステム)である。
自動車にデジタルカメラと3次元レーザースキャナを搭載し、道路およびその周辺映像・3次元データを取得することでGISの3次元データの取得を容易に行うことが可能だ。

DJI「Matrice 300 RTK」「Zenmuse L1」
「Zenmuse L1」はLidarだ。「Matrice 300 RTK」に装着して計測を行う。短時間で高精度のデータを取得することが出来る。


ライカ「Leica Pegasus:Two」
DJI「Matrice 300 RTK」
DJI「Zenmuse L1」

MMS「Leica Pegasus:Two」。 車の上に搭載して走行・計測を行う。

▲MMS「Leica Pegasus:Two」。
車の上に搭載して走行・計測を行う。

DJI「Matrice 300 RTK」「Zenmuse L1」の組み立て方法を確かめる。

▲DJI「Matrice 300 RTK」「Zenmuse L1」の組み立て方法を確かめる。

―3次元計測を取り入れる構想は10年前から。
そして、実際に導入を始めた5年前。

ジオテクニカル株式会社様が3次元計測を導入したのは、今から約5年前のことだ。トプコン「GLS-2000」をきっかけに、ライカ「BLK360」へと3次元計測機器の導入が続いた。また、DJI「Phantom 4 RTK」でドローンを用いた測量も行う。
3次元計測の導入については10年前から構想を練っていたと話す同社取締役の小松氏。10年前から同氏が描いていた3次元計測導入のストーリーからその実現までの間にあった5年間という月日。同氏はどのような働きかけをしていたのだろうか。

—「設備投資をするなら『3次元計測』と決めていた。」という小松氏。
その実現に向けた1つの目安として掲げたラインが「1測点あたり20分以内」だったという。
つまり、製品レベルが上がったところで導入に乗り出すことを決めていたのだ。

構想から実現までに5年間というタイムラグがあったものの、小松氏はその間に3次元計測に関する情報にアンテナを張り続けた。神戸清光の営業担当者が定期的に提案する新製品の紹介やデモもその情報収集には効果的だったという。

―3次元計測製品導入に関して、社内での納得を一致させることが難しい場合が度々ある。
本当に業務効率化にリンクできるか実際に活用できるまで漠然としているからだろう。
しかしながら、ジオテクニカル株式会社様ではその導入が始まった5年前、社員の非常に前向きな姿勢が既に構築されていたという。実は同社において3次元計測導入への抵抗が感じられたのが、構想段階の10年前だったというのだ。

小松氏は「技術や製品へのアンテナを張り続け収集した情報を社内で総有していくことでその抵抗の緩和へと結び合わせることが出来た。」とその時について回想する。現在も引き続き、会社全体で前向きに3次元計測に取り組んでいる。

「Leica Pegasus:Two」のセットアップを進める小松氏。

▲「Leica Pegasus:Two」のセットアップを進める小松氏。

「事業の柱を増やす」というストーリーを描く。

小松氏は「事業展開のためのビジョンを持つことが重要」だと話す。

—MMSとレーザードローンの導入を決断した同氏だが、そこにはいくつかの選択肢があったという。
同氏が10年前から3次元計測導入への構想を練っていたことは前述の通りだ。
では、何を「ゴール」として同社は動き続けているのだろうか。

そこには「事業の柱を増やす」という大きなゴールがあった。
そして今回、MMSとレーザードローンを取り入れることでその柱の更なる増強が見込まれる。
また、「社員の労働負担の軽減」も小松氏が追求するゴールの1つだ。

——導入を始めた5年前から更なる企業価値創出のために同社の次なる方向性を考え始めた小松氏。
そのフックとなる技術として、「グリーンレーザードローン」「深浅測量」「モービルマッピングシステム(MMS)」が候補に挙がったという。答えを出すのに、そこまで強く悩まなかったという同氏。同社が所在する大阪府下はドローンの飛行に制限がかかること、深浅測量へ参入するにはノウハウの構築へ少し時間を要しそうであったことを踏まえ、MMSの導入を決断した。

事業の柱として3次元測量を強化させていくことは、既に同社が既に導入しているレーザスキャナを運用レベルまで至らせたことを示しているだろう。導入効果を理解しているからこそ、3次元測量の技術を磨いていくことに注力しているのではないか。

また、小松氏は同じ時間軸で別のアングルからのストーリーも描く。それは測量業界において「2次元から3次元へ転換していく」ということだ。「3次元に対応しないと、だんだん淘汰されてしまうと思うんですよね。」と話す同氏。数年後を見据えて研鑽を重ね続けることで、「ノウハウ」という一朝一夕では得ることのできない財産が層一層と築かれていく。

取り付け方を確認する。

▲取り付け方を確認する。

新たな製品の導入で「採算が取れた」と感じられる時。

3次元測量技術のノウハウの集積を続けるジオテクニカル株式会社様が、費用対効果以外で新たな製品の導入で採算が取れたと感じるときはいつだろうか。

小松氏は「製品が活躍している時」だと話す。ライカ「BLK360」を具体例に、同製品がどのように活躍しているのか挙げてくださった。

・1人で計測が行える。
・設置場所をほとんど問わない。
・補足情報として計測データを活用できる。

感覚的であり、数値として算出しにくい部分ではあるが間違いなく業務効率化へと繋がっている。

MMSやドローンで取得したデータが私たちの生活の身近にさらになるのだろう。

▲MMSやドローンで取得したデータが私たちの生活の身近にさらになるのだろう。

「業務を全て3次元化したい。」

3次元測量の技術力を磨き続けるジオテクニカル株式会社様だが、何がその原動力なのか尋ねた。1つ目は先述の通り、「会社の柱づくり」だという。

「あと、私が新しいもの好きかもしれませんね。」と小松氏は笑いながら話す。自社の強みを「機動力」と表現しており、そのフットワークの軽さが、新技術導入を受け入れる柔らかさにもコネクトしているのだろう。

また、同氏は「自分が引退するまでに業務を全て3次元化したい。」とも語る。3次元化したデータを防災のために役立てたいという。

自社の発展だけでなく、測量と社会を結びつけることがまた同氏の描くストーリーにあることが垣間見えた。

ビジョンを持つことの大切さ。

神戸清光の営業担当者はゴールを設定し、それに適した製品の導入を提案していくことが大切だと考えている。本インタビューを通じて、ビジョンを掲げることの重要性・ストーリーを描いてそれに沿って展開を進めることの効果をユーザー側の目線から感じることが出来た。

「65%の子どもたちは将来、今はない職業に就く」という言葉が有名だが、2次元から3次元の活用が進む現在も、今まさに何かへの大きな変革時期であるのではないだろうか。

是非、私たち神戸清光と一緒にその変革時期を楽しんでいただきたい。 

(株)神戸清光 広報担当 松本葵

ジオテクニカル株式会社 様

【所在地】〒580-0044 大阪府松原市田井城4-8-3
【電話番号】072-333-8311
【HP】http://www.geo-t.co.jp/index.html