トプコン社が地上型レーザースキャナ「GLS-2200シリーズ」「GTL-1200」の
製品研修会を神戸清光営業担当者へ実施。 
――ロングセラーの同製品の現在と今後は?

2022年10月26日(水)にトプコン社がレーザスキャナ「GLS-2200シリーズ」「GTL-1200」の製品研修会を神戸清光営業担当者たちへ実施した。本記事では、その様子をみなさまへお伝えする。


レーザースキャナに関して様々な新製品が発売される昨今だが、
トプコン社「GLS-2200」「GTL-1200」は長年発売され続けているロングラン製品だ。
多様なユーザー層が想定出来るが、特に土木系の現場を得意とするという。

同研修会で改めて他製品との違いを認識すると共に、ユーザーへアウトプットするべき同製品の特長を再認識することが狙いである。

神戸清光小野トレーニングセンター(兵庫県小野市)で実施した。

▲神戸清光小野トレーニングセンター(兵庫県小野市)で実施した。

「GLS-2200シリーズ」
長距離ターゲットスキャン機能があるから、広範囲の計測×少ないターゲット据え替え回数を。

「GLS-2200シリーズ」の特長は、何と言っても長距離ターゲットスキャン機能で作業効率を向上させることだろう。 従来、ターゲットを合成のベースとするレーザースキャナでの作業では、「ターゲットを据え替える」という手間が掛かっていた。 しかしながら、本製品では最長200m先のターゲットスキャンが可能であり、その作業をぐっと軽減させてくれるという。更に、全周プリズムも使用可能であり、ターゲットの向きを変える手間もない。

また、現場での作業効率だけが向上するのではなく事務所に帰ってからの作業時間を短縮させることも可能だ。 ターゲットに事前に座標を落とすことが出来るハード面の機能はもちろん、ソフトウェアでもそれはアプローチされている。計測した点群データの処理ソフト「MAGNET Collage(マグネットコラージュ)」をスタートに、 クラウドでデータ解析・共有が出来る「MAGNET Collage Web(マグネットコラージュウェブ)」で現場から事務所へ円滑にデータを繋いだり、 近日発売の「Collage Site(コラージュサイト)」では本体の遠隔操作をすることが出来るだけでなく、点群データの確認をその場ですることも可能だ。

長距離ターゲットスキャン機能がもたらすターゲットの据え替え回数への効果のイメージ。

▲長距離ターゲットスキャン機能がもたらすターゲットの据え替え回数への効果のイメージ。

「GTL-1200」
トータルステーションとレーザースキャナを1台で。

「GTL-1200」はトータルステーションとレーザースキャナが一体となったタイプの製品だ。 従来機の「GTL-1000」をベースに、「スキャンスピードの高速化と点間隔を狭めて測定する」というモードが追加され、機能面の強化が図られている。 計測の“ついで”にレーザースキャナで現場を残すことが出来る同製品。 トータルステーションとしては、自動追尾でワンマン測量に対応することも可能である。

トータルステーションを使う業種=測量分野・土木分野・建築/設備分野の幅広いユーザー層が想定される。 前述の「GLS-2200シリーズ」より小型であるため、GLSを据えることが難しい現場をGTLで計測するというパターンもあるようだ。 また、一部で共通の機材も使用可能のためコストを抑えて導入することも出来る。

本製品でも、「MAGNET Collage(マグネットコラージュ)」「MAGNET Collage Web(マグネットコラージュウェブ)」「Collage Site(コラージュサイト)」がそれぞれ使用可能だ。

「GLS-2200シリーズ」(左)と「GTL-1200」(右)

▲「GLS-2200シリーズ」(左)と「GTL-1200」(右)

“息の長い製品”だから、再認識出来る特長がある。

新製品ではなく、ロングセラー製品を改めて知るということが本研修会の面白さだろう。 神戸清光営業担当者たちは、前半の資料を用いた製品紹介でGLS、GTLの計測においての理論に納得しているようだった。
その中でも、特に多くの営業担当者が頷いていたのが「長距離ターゲットスキャン」とそれが生み出す「器械点数の軽減」である。

同研修を行った神戸清光小野トレーニングセンターをライカ社のレーザースキャナ「BLK360 G2」で計測した際は40器械点(計測時間30秒/器械点)だったのだが、 同現場をGLSで計測する場合の器械点数は4~5点だという。 また、「トータルステーションを使える人なら使える。」ということを強みだと話す神戸清光営業担当者も複数いたことが印象的だ。若手営業担当者にも印象を聞いてみると、「ICT施工のきっかけになる製品ですよね。」と話してくれた。

製品によって、得意な部分や作業効率を向上させるポイントが異なることを筆者は強く感じた。

前半は製品情報について、資料から特長を捉える。

▲前半は製品情報について、資料から特長を捉える。

後半はフィールドで実測を行った。 前半の資料で確認した製品特長を実測で更に体感として落とし込む。

▲後半はフィールドで実測を行った。
前半の資料で確認した製品特長を実測で更に体感として落とし込む。

――「トータルステーションに慣れていれば、使えるんですよ。」

トプコン社の菊池氏に製品の魅力を尋ねると「ICT施工の『ポピュラー』としてGLS・GTLを選んでほしい」という思いが語られた。製品に対してメーカーから個人的な思いを感じられると、その製品がより魅力的に見えるものだ。

続けて、「スキャナ固有のことを覚えなくて良いんですよ。」と話す同氏。レーザースキャナを使うときはまた新たにそれに合わせた作業にまつわる事柄を覚えなくてはならない場合が多いとし、GLS・GTLではそれに当てはまらないという。 計測方法も所謂、後方交会法のためイメージがしやすい。それらが、ユーザーに選ばれる理由の1つだと感じられた。

また、同氏は「トータルステーションに慣れていれば使えるんですよ。」とも話す。
——トータルステーションを使うユーザーは多い。 その厚いユーザー層にアプローチ出来るのが、同製品群なのだろう。

株式会社トプコンソキアポジショニングジャパンの菊池氏。

▲株式会社トプコンソキアポジショニングジャパンの菊池氏。

研修に参加する神戸清光営業担当者たち。 近日発売予定の「Collage Site」の説明を前のめりに受ける。

▲研修に参加する神戸清光営業担当者たち。
近日発売予定の「Collage Site」の説明を前のめりに受ける。

「Collage Site」と「MAGNET Collage Web」について
神戸清光営業担当者たちが大きく興味を持った。

「どのようなユーザーに「GLS-2200シリーズ」「GTL-1200」に提案するべきか?」
神戸清光営業担当者たちが製品の研修等で集まると、その製品が業務効率向上に繋がる業種やユーザーは何か、という話が自然と生まれる。本研修会でもそれが見られた。特に、製品価値を更に上げると彼らが考えたのが「Collage Site(コラージュサイト)」と「MAGNET Collage Web(マグネットコラージュウェブ)」のようだ。

「Collage Site(コラージュサイト)」は専用端末でGLS・GTLを遠隔操作出来るソフトウェアだ。
事務所で確認することが通例の計測データを現場で確認が可能で、計測漏れを防ぐ。 また、データの確認や計測開始の指示だけでなく製品の向きを遠隔で動かすことも出来る。 近日発売予定のため、リリースを早く待ちたいところだ。

「MAGNET Collage Web(マグネットコラージュウェブ)」は、データの管理や解析等をクラウド上で実現するサービスだ。 クラウド=Web上で作業を行うことになるため、PCのスペックに左右されることなく業務を行うことが出来る。 “クラウド上での作業”と侮るなかれ、通常の点群処理に加えて地表面フィルターなどのフィルター機能も搭載されている。

ハードだけでなく、ソフトウェアやクラウドサービスの充実から製品価値が更に向上することが感じられた。

「Collage Site」の画面① ターゲット計測を行った。

▲「Collage Site」の画面①
ターゲット計測を行った。

「Collage Site」の画面② 点群が表示されている。

▲「Collage Site」の画面②
点群が表示されている。

株式会社トプコンソキアポジショニングジャパンの菊池氏からは「GLS-2200シリーズ」「GTL-1200」への愛着が感じられた。

▲株式会社トプコンソキアポジショニングジャパンの菊池氏からは「GLS-2200シリーズ」「GTL-1200」への愛着が感じられた。

研修は夕方までしっかりと続いた。

▲研修は夕方までしっかりと続いた。

別日に実施した「GTL-1200」の実機の確認の様子①

▲別日に実施した「GTL-1200」の実機の確認の様子①

別日に実施した「GTL-1200」の実機の確認の様子② 最新型では、wi-fiとBuluetoothの両方に対応出来る。

▲別日に実施した「GTL-1200」の実機の確認の様子②
最新型では、wi-fiとBuluetoothの両方に対応出来る。

『複数、スキャナを持つ』『現場に合わせる』という選択肢。

本研修会で感じたことは、月並みだが「製品には個性がある」ということだ。 何が良くて、何がダメということはない。「そのユーザーに適しているか、否か」が重要なのだということを再認識した。

神戸清光営業担当者たちは、自分で機器を触り、そしてそれが適しているユーザーを想像する。 もしくは、ユーザーから目的をヒアリングして、それに至るまでに適す製品を想像して、提案する。そんな彼らの下準備を見た気がした。 ベテラン営業担当者が「複数、スキャナを持って現場に合わせる選択肢もありやねんな」と呟く。
「GLS-2200シリーズ」と「GTL-1200」は今の時代の選択肢を感じさせる製品であった。

ユーザー対応で得た生の現場の情報や、今回のようなメーカー研修会で得た情報が神戸清光営業担当者たちのノウハウになっている。 困っていることや解決したい課題があれば、是非気軽に問い合わせいただきたい。

(株)神戸清光 広報担当 松本葵