「京都市会議場VR映像 寄付受納式」へ 神戸清光が参加!
――京都市の豊かな観光資源を活かす新たな定番ツールになる可能性。

2022年12月21日(水)に京都市役所で「京都市会議場VR映像寄付受納式」が行われた。
同受納式に、神戸清光代表取締役の走出(はしで)も参加させていただいた。
本記事では、その様子をみなさまにお伝えする。



京都市会議場のVR映像作成に関するプロジェクトは、京都府京都市に本店を構える有限会社丸重屋様を代表として、 株式会社すみれ測量設計事務所様(東京都江東区)・ライカジオシステムズ株式会社・フォーディーラボ・神戸清光の計5社が共同して行った。

2021年8月末に改修が完了した京都市会議場をライカ社地上型レーザースキャナ「BLK360」を使用して3次元化、そのデータをVR映像として提供する。 提供されたVR映像は、京都市で小中学生を対象とした議会見学会等で活用される予定だ。


京都市会様のホームページにも当日の様子が掲載されています。
(寄付受納式(京都市会議場VR映像)を執り行いました。 令和4年12月21日)

門川市長(門川大作OFFICIAL)活動日記にも掲載されています。(2022.12.21)

ライカ社「BLK360」の製品情報はこちらから。

当日の集合写真。

▲当日の集合写真。

挨拶の様子。 とても和やかな雰囲気で式は執り行われた。

▲挨拶の様子。
とても和やかな雰囲気で式は執り行われた。

「VR映像データを市民のみなさん・世界のみなさんが覗けるように。」

――「VR映像データを市民のみなさん・世界のみなさんが覗けるように。」と話すのは、本プロジェクト代表の株式会社丸重屋代表取締役の平手氏だ。
本店を京都に構える同社は、インフラ点検からドローン測量・構造物の3次元化などを行い、「京町屋の技術屋さん」という言葉を自社の企業理念に掲げている。
同社代表取締役の平手氏自身も京都に生まれ、寄付受納式での挨拶では「この街が大好きです。愛しています。」と話した。

そして、同時にその街の歴史的建造物である京都市会議場のデータを「市民のみなさんや世界のみなさんにも覗いてほしい」とも表現する。
同氏の思いを知ることによって、データに生気が吹き込まれた気がした。

VR映像データのベースとなった点群データ①。 (ライカ「BLK360」で計測)

▲VR映像データのベースとなった点群データ①。
(ライカ「BLK360」で計測)

VR映像データのベースとなった点群データ②。 (ライカ「BLK360」で計測)

▲VR映像データのベースとなった点群データ②。
(ライカ「BLK360」で計測)

京都市 門川市長「歴史に残ります。」

VR映像のデータが株式会社丸重屋代表取締役の平手氏から渡されると、門川市長から「歴史に残ります。」という言葉があったことが印象的だ。 深い歴史が感じられる“京都市”という土地柄と、“VR映像”という最新技術のコントラストが面白い。

寄付されたVR映像データは、小中学生を対象とする議会見学時に活用される他にも、演壇や議席などの備品を含む議場内部の寸法等も保存しているため、市会議場が損壊した場合にも細やかに復元することが出来る。

――「子どもたちの65%が、今は存在していない職業に就く」というアメリカの研究者の言葉が筆者は好きだ。 2011年に発表された見解ではあるが、現在にも十分通用する考えだろう。
京都市会議場の見学に訪れた小中学生がVR技術に触れ合うことが、将来の選択肢を増やすことになる。
未来は明るいな、と感じた。

VR映像を体験する門川市長。

▲VR映像を体験する門川市長。

それぞれの得意分野が発揮されたデータ。

本プロジェクトでは、共同した5社がそれぞれの得意分野が活かされた。
同プロジェクトの代表を務める有限会社丸重屋様は前述の通り、構造物の3次元化ノウハウを発揮する。

3次元データ作成とVRデータの設計技術を提供してくださったのは、株式会社すみれ測量設計事務所様(東京都江東区)。同社は、3次元レーザースキャナを活用して計測やコンサルティング業務を行う企業だ。
路面計測や土量計測、トンネルの計測など、その計測業務内容は多岐に渡ることが特長である。

また、ライカジオステムズ株式会社は3次元データ管理、フォーディーラボは3次元レーザースキャナによる測量、神戸清光は3次元データの解析をそれぞれ担当した。

データ寄付受納式中の歓談中には、門川市長より「チームで、それぞれ得意技を持っているんですね。」という言葉があった。

3次元データという1つのテーマを主軸に、各社のノウハウが発揮される。



有限会社丸重屋様の情報はこちらから。

株式会社すみれ測量設計様の情報はこちらから。

“インターネット”だって、昔は特別なことだった。

同データ寄付受納式では、吉田京都市会副議長より「VR技術の将来性」について尋ねられる場面もあった。

ライカジオシステムズ株式会社の日比代表取締役社長は、インターネット普及のキーとなる1995年を例に挙げた。
――「1995年当時の私たちは、インターネットがあることが当たり前の世界を想像出来ませんでした。
しかし現在は、インターネットがないことが当たり前の世界を想像することは出来ません。
それと同様に、VR技術や3次元技術も数年後、もしかするともっと近い未来に普通になるかもしれません。」

確かに、この前まで特別だったことがじわじわと普通になってくる、という感覚がある。 もうこれ以上便利になることはないだろうな、もうこの技術はここまでが最高なんだろうな、と思うことが覆されるのだ。

データ寄付受納式前の様子。

▲データ寄付受納式前の様子。

歓談の時には、VRの将来について話す場面もあった。

▲歓談の時には、VRの将来について話す場面もあった。

壇上へ向かう本プロジェクトの参加者。

▲壇上へ向かう本プロジェクトの参加者。

田中 京都市会議長より感謝状が渡された。

▲田中 京都市会議長より感謝状が渡された。

門川 京都市長からも感謝状をいただく。

▲門川 京都市長からも感謝状をいただく。

「3次元のプロたち」は何を考える?

寄付受納式後に、本プロジェクトの感想を聞いた。

有限会社丸重屋代表取締役 平手氏は「現在の最新技術の総結集であるこのデータは、あくまで『土台』だと思っています。ここからの発展、例えば写真をクリックしたらVR映像が見れるなど面白い仕掛けが出来たら良いですよね。」と語った。3次元データからは、本当に多様な情報が読み取れる。
あくまで3次元データを「土台」として捉える考え方には、確かに、と納得させられる。

「もっと色々なことをしたいんです。」と話すのは、株式会社すみれ測量設計事務所 代表取締役の関口氏だ。
「『もっと色々な場所で出来ること、表現出来るもの』の1つがVR技術だと考えている」という。
関口氏の話からも、この3次元データが終点ではなく通過点であることが分かる。

平手氏も、関口氏も、3次元データ及びVRデータが大きな未来を含んでいることがはっきりと見えているようだ。
もしかすると、既に自社のビジネスストーリーに当たり前のように組み込まれている要素かもしれない。

寄付受納式後の様子。 緊張が少し解けたようだった。

▲寄付受納式後の様子。
緊張が少し解けたようだった。

構造物のデータ化・及び保存は「歴史に残る」仕事だ。

構造物の3次元データ化は、平面図だけでは伝わりにくい・残りにくいニュアンスの再現が期待できる。
これらはきっと、大きな価値を付与するはずだ。
フォーディーラボ代表の大八木氏は「日本のシンボルの1つである京都で、またその中のシンボル的建造物で計測が出来て良かった。」と話す。
自身の仕事が遠い将来まで残ることが、非常に感慨深いようであった。

京都市の豊かな観光資源を活かすための新たなツールになる。
そして、それが近い未来に定番のツールになるイメージが膨らんだ。

――神戸清光では、3次元計測の一線を走るみなさんと共同して、このようなプロジェクトに参加させていただいている。この経験もまた、私たちのノウハウになっている。

是非、お困りのことがあればご相談いただきたい。
一緒に解決しましょう。

(株)神戸清光 広報担当 松本葵

有限会社 丸重屋(まるしげや) 様


【所在地】〒607-8214 京都府京都市山科区勧修寺平田町57
【電話番号】075-591-1919
【HP】https://www.marushigeya.jp/

株式会社 すみれ測量設計事務所 様


【所在地】〒135-0007 東京都江東区新大橋2丁目7−4
【電話番号】03-5625-2822
【HP】http://www.sumire-sokuryou.co.jp/index.html