“測量”と“マシンガイダンス”を1台のタブレットで両立!
スイングブーム対応のバックホウマシンガイダンス。
「Leica iCON site excavator」で都市部の小規模土工を磨こう。

みなさんは、「Leica iCON site excavator(ライカ アイコンサイト エクスカベーター)」を
ご存知だろうか。ライカ社から登場した同製品は、スイングブームのバックホウ対応マシンガイダンスだ。 とことん小型機バックホウへの取り付けを想定して製品が作られている。

本記事では、その「Leica iCON site excavator」についてご紹介する。
是非、製品イメージを読者のみなさんに掴んでいただきたい。
そして、「あ、何かあったな」と思い出して製品選定の1つに加えていただきたい。
製品選定の幅が広がることは、あなたの業務のブラッシュアップの後押しになるだろう。

「Leica iCON site excavator(ライカ アイコンサイト エクスカベーター)」

「Leica iCON site excavator」の製品イメージ動画

ライカ社のマシンガイダンスは現場目線。

神戸清光が提供する情報の中で、ライカ社というとレーザースキャナ類の印象が強いだろう。
しかしながら、同社の提供するマシンガイダンスも中々可愛いやつである。

「Leica iCON site Excavtor」は、スイングブーム対応のバック要用マシンガイダンスだ。
ここ最近日本でも普及しつつあるチルトローテータにもマシンガイダンスとして対応していることも知っておきたい点だ。 動作イメージについては、下の動画をご覧いただきたい。

他社製品だと、“ピッチロールセンサーを車体の中心に置かなければならない”という場合がある中、
本製品の特長の1つは、「装着するセンサーの場所が決まっていない」ということ。
マシンガイダンスの設置を行う作業者にとってしか利点がないように感じられるかもしれないが、
つまりそれは「装着可能なバックホウを限定しない」と言える。

また、マシンガイダンス画面用ディスプレイとして採用されているタブレットは、GNSSローバーとしても使用可能である。 本タブレットのベースになっているのが、土木用測量システム「iCON site」ソフトウェア。 そのシステムにマシンガイダンスアプリケーションが追加されることで、それを実現した。
さらに、最新のバージョンアップによって「軌跡による施工履歴の書き出し」という機能も可能になったことにも注目したい。

製品リリース後もバージョンアップ等がしっかり行われることが、ライカ社製品の特長である。
「『測量』と『マシンガイダンス』を1台で!」というのが本製品のキャッチコピーだ。

製品の設置イメージ。

▲製品の設置イメージ。

iCON site excavator用に設計されたGNSS受信機「Leica iCON iCG100 」(左)。 スマートジャンクションボックス「SJB2x」(右)内でバケット、アーム、ブーム、車体傾斜の各センサからの情報で2D値を計算する。

▲iCON site excavator用に設計されたGNSS受信機「Leica iCON iCG100 」(左)。
スマートジャンクションボックス「SJB2x」(右)内でバケット、アーム、ブーム、車体傾斜の各センサからの情報で2D値を計算する。

実際の「Leica iCON site excavator」の受信機(写真奥)とジャンクションボックス。 車内に取り付けられるのは、これら2つだけだ。 「かなりコンパクトです。」と神戸清光営業担当者は話す。

▲実際の「Leica iCON site excavator」の受信機(写真奥)とジャンクションボックス。
車内に取り付けられるのは、これら2つだけだ。
「かなりコンパクトです。」と神戸清光営業担当者は話す。

画面も見やすく。
オペレーターの負担を軽減。

マシンガイダンスシステムの選定で考慮したい要素の1つは、オペレーターへの負担軽減だ。
本システムのディスプレイは「iCON site Field用コントローラであるCC80(またはCC200)&iCON site ソフトウェア」が採用されている。 画面も見やすく、オペレーターにも見えにくさという点で、負担は掛かりにくい。 さらにバッテリーで運用するため、電源ケーブルなどの確保は必要ない。
また、防塵防水にも優れており、厳しい現場でもしっかりと活用が見込めるだろう。

本製品の特長は、車内に最低限の設備で取り付けが出来ることだが、ディスプレイにもそれが考慮されている。

製品のイメージ。 バッテリー駆動のため、電源配線は不要だ。

▲製品のイメージ。
バッテリー駆動のため、電源配線は不要だ。

実際の画面も見やすい。

▲実際の画面も見やすい。

「iCON site Excavator」の醍醐味!
測量とマシンガイダンスが、1台のタブレットで出来る。  

「iCON site Excavator」の製品特長のハイライトとも言えるのが、測量とマシンガイダンスが1台のタブレットで出来ること。 ライカ社の製品は、同社が持つ多彩な技術をうまく組み合わせて生み出されているようなイメージだ。 本製品でも、ライカのそれが遺憾なく発揮されている。

――iCON site Excavatorで使用するコントローラー(CC80)はマシンガイダンスとしてでなくGNSSローバーとしても使用可能だ。マシンガイダンスとして使用し、その日の夕方にGNSSローバーとして出来高管理のチェック(日々の進捗管理)を行うこと、また、数点ポイントを測定し概算土量を算出する...など活用が期待できる。 公共測量には使用不可であるが、土木に特化したアプリケーションが多数標準搭載されている。 インターフェースもWindowsベースのため、日頃からPCを使用されている方にとっては操作しやすい面があることも特長の1つだ。また、マシンガイダンスのキャリブレーション(機器取付後のバケット刃先の位置が正確に値を表示できるかの確認)が、円滑にできるツールも標準で備えられている。

冒頭でも紹介したように、本タブレットのベースになっているのが、土木用測量システム「iCON site」ソフトウェアであり、そのシステムにマシンガイダンスアプリケーションが追加されることで、1台のタブレットでの測量とマシンガイダンスの両立を実現した。

GNSSローバーとしての使用イメージ。

▲GNSSローバーとしての使用イメージ。

ライカ社の製品は難しそうに感じられるときもあるが、触ってみると、 現場ファーストでモノづくりが行われていることを感じる。

▲ライカ社の製品は難しそうに感じられるときもあるが、触ってみると、
現場ファーストでモノづくりが行われていることを感じる。

センサーの設置がシンプルだから、車内もすっきり。

ライカ社のマシンガイダンスシステムも現場目線でモノづくりが行われていることが感じられることは前述の通りだが、 オペレーターへの配慮は画面の扱いやすさなどだけではない。

「Leica iCON site excavator」では、すっきりとした車内も実現する。
理由はセンサー類が小型化になったこと。

本取材時も、実際に0.1㎥ サイズのバックホウに取り付けられた本製品を見たが、 コンパクトなキャビン内に違和感なく収まっていたことが印象的だった。 前述のタブレットがバッテリー駆動であったり、細かなところに小型機バックホウを想定した製品開発が感じられる。

「Leica iCON site excavator」は、スイングブームへの対応が可能だ。

▲「Leica iCON site excavator」は、スイングブームへの対応が可能だ。

ブームの根元の部分の様子。

▲ブームの根元の部分の様子。

神戸清光営業担当者が予想する都市部でのICT施工の姿。
キーワードは「小規模土木」。

ICT施工を絡めたビジネスモデルの確立が、様々な価値を創出するようになってきた。
2018年から始まったi-Construction政策だが、広がりを見せたのは郊外からの印象が強い。
――そして、政策開始から数年経ち、現在では都市部での小規模土工によるICT施工の広がりが感じられる。 “広がり”はだんだん“普及”になるだろう。

都市部でのICT施工において、キーワードは「小規模土工」だ。 郊外に比べると、コンパクトな施工が多い都市部。そこで活用されるのが、小型のバックホウだ。そして、その小型機バックホウから枝分かれする特徴の1つは、“オフセットブーム”か“スイングブーム”だろう。

――ひとことで「マシンガイダンス」と言っても、その規格は様々だ。
バックホウのメーカー、大きさ、前述のように“オフセットブーム”か“スイングブーム”か…。
それによって、装着できる製品・できない製品が存在しているが現状だ。
だからこそ、製品導入から活用までのストーリーを描いていただきたい技術でもある。

ユーザーの置かれている状況は本当に十人十色で、現場へ日々対峙する姿へ本当に尊敬できる。
ICT施工へ上手く対応できれば、3次元を主軸とした新たなビジネスモデルの創出は至極現実的であると筆者は考える。

▲GNSSアンテナ。

▲GNSSアンテナ。

ICT施工スタートのきっかけとして、
「Leica iCON site excavator」を。

マシンガイダンス技術をICT施工の流れに当てはめてみると、下記の図の中では、場面3がそれに該当するだろう。

ICT施工でカネを生み出していくためには、場面1から場面5までを自社内でサイクル化することが理想だと、 ある神戸清光の営業担当者は話す。 実際の施工はもちろんだが、その前後の3次元設計データの作成や出来形管理等も自社内で行えることが出来れば、その技術はノウハウとして培われ、会社の財産となる。 しかし、3次元設計データ作成を外注して、結果的に他社のノウハウ蓄積になってしまうパターンがあることも現状だ。

3次元化が進んでいるのは、土木工事だけではない。
違う業界でもそれは進んでいる。つまり、どういうことか。
3次元対応へのノウハウ蓄積は、企業内に新しいカネの柱を建てる可能性があるということだ。
今現在、3次元への参入に資格を持っていることは必要ないことが多い。

3次元が当たり前になり、資格の設定がされる前に参入することが自社の価値をさらに磨き上げるだろう。

ICT施工の流れ。 「この流れを1社で行えれば、有益な結果が出るだろうとある神戸清光営業担当者は考える。 (国土交通省九州整備局のHPより引用)

▲ICT施工の流れ。
「この流れを1社で行えれば、有益な結果が出るだろうとある神戸清光営業担当者は考える。
(国土交通省九州整備局のHPより引用)

2023年4月に開催した「新技術を体験する会」でも、好評だった。

▲2023年4月に開催した「新技術を体験する会」でも、好評だった。

1.高密度点群作成時間 (比較基準:MOUSE4090)

▲2023年4月に開催した「新技術を体験する会」でも、好評だった。

神戸清光営業担当者によると、取り付けも非常にシンプルだという。

▲神戸清光営業担当者によると、取り付けも非常にシンプルだという。

曇天下で見ても、液晶は見やすかった。

▲曇天下で見ても、液晶は見やすかった。

ライカ社のマシンガイダンスの認知がもっと拡張すれば、と筆者は個人的に思っている。

▲ライカ社のマシンガイダンスの認知がもっと拡張すれば、と筆者は個人的に思っている。

現状、3次元には資格が必要ない場合が多い。

神戸清光からの発信するレーザースキャナに関する情報で、ライカ社の印象が強いだろう。
しかし、マシンガイダンスでも同社は“使える”を提供してくれる。本記事では、スイングブーム対応バックホウ用マシンガイダンス「Leica iCON site excavator」についてご紹介した。

――ICT施工に取り組むことは、3次元への技術力も積み重ねることになる。
3次元の技術力は、他のビジネスモデルへも繋がるだろう。そして、ニーズのあるスキルになる。
3次元への参入には、資格が設定されていない。資格制度が始まる未来があるとすれば、それが行われる前にスタート出来ることが、今始めるメリットだ。

カタログだけでは分からない情報がある。と神戸清光は考えています。
何かお困りのことがあればご相談ください。
一緒に解決しましょう。

――技術探求を熱心に行うあるユーザーは熱心なライカファンで、様々なライカ社製品を駆使して日々の業務を行っている。 本記事を作成するにあたり、そんなライカファンの気持ちが分かるような気がした。 

(株)神戸清光 広報担当 松本葵