スペック表だけを見ていると、「精度が上がったんだな」くらいに感じるかもしれません。しかし、手に取って動かしてみると、カタログの数字だけでは伝わらない違いや、使ってみて初めて分かる感覚がありました。
実際に触れて分かった使い心地や、従来製品からの進化したポイントを、じっくり見ていきます。
なお、「神戸清光EXPO 2026」の様子は近日公開予定です。こちらもお楽しみに。
ディスプレイを見た瞬間に「あ、違う」と思った
まず最初に驚いたのが、内蔵ディスプレイの美しさです。スキャン中にリアルタイムで表示される点群が、これまでスマートフォンで確認していたものと比べて明らかにきれいなのです。
そして計測が終わった後、ディスプレイ上で確認できる点群は、ほとんど間引きされてい
ないのではと思えるほどの密度で表示されており、これはLixel L3 がOS を本体に搭載し
ていることが効いているのではないかと感じています。その場で成果物のクオリティをか
なり具体的にイメージできるのも嬉しいポイントでした。
動作そのものも非常にサクサクで、ストレスを感じる場面がほとんどありませんでした。
これまでは連携するスマートフォンのスペックによって表示のカクつきや遅延が気になる
こともありましたが、Lixel L3 ではその心配自体がなくなったというのが率直な感想で
す。スマートフォンの機種を気にせず使えるというのは、現場に立つ身としては大きな安
心材料になります。
操作性についても、直感的でわかりやすいと感じました。初めて触る方でも、迷うことな
く計測までスムーズにたどり着けそうな作りになっています。
そしてもうひとつ、体感として大きかったのが生成処理の速さです。
これもOSを本体に搭載していることが効いているのだと思いますが、10分間スキャンしたデータが、
3分以内に驚くほどきれいな点群として立ち上がってきます。
この時点では後処理を経ていないにもかかわらず、リアルタイム相対精度1cm、リアルタイム絶対精度は水平・標高ともに2.5cmという水準が出ています。
さらにRTKをオンにしていれば、この段階ですでにWGS 84やCGCS2000への座標変換も完了済みです。現場でその場結果を確認しながら次の判断ができるというのは、作業のテンポそのものを変えてくれる感覚がありました。
精度の話とは別に、地味にインパクトが大きいと感じたのが、壁面のGCP(コントロールポイント)が取得できるようになった点です。
地面のGCPはこれまで通り問題なく取得できるのですが、壁のGCPにも対応したことで、現場でのコントロールポイントの取り方の自由度が一段上がったように感じます。
ただし、ここには少しコツが必要です。本体の持ち手背面にGCP取得用のチップが付いているのですが、これが本体下部に取り付けるプレートと干渉してしまいます。
そのため、慣れてくるとプレートを使わずに運用するのが基本のスタイルになっていきそうだな、というのが実際に触ってみての感触です。
ポールをつけたまま、GCPも取れる
延長ポールについても嬉しい変更がありました。これまでのような専用ポールではなく、一般的なRTK測量ポールに対応するようになったため、既に手元にあるポールをそのまま活用できます。
大きな進化ポイントとして、ポールを装着した状態のままGCPを取得できるようになったことも挙げられます。
GCP取得時にポールの長さを選択するだけで対応できるので、いちいち機器を付け外しする手間がありません。
ひとつだけ気をつけたいのは、ポールが高くなりすぎると本体のディスプレイが見えなくなってしまうことです。とはいえ、スマートフォンとの連携も予定されているとのことなので、その点は安心して待てそうです。
細かいところですが、運用面でありがたかったのが充電ハブの存在です。これまではバッテリーを1本ずつ充電する必要がありましたが、L3ではハブが付属しているため、最大3本まで同時に充電できます。現場が続く日にはこうした地味な効率化がじわじわと効いてきます。
あわせて、RTKモジュールが本体に内蔵されたことで、計測のたびにRTKユニットを取り付けたり外したりする作業自体がなくなりました。
これまで当たり前だったこの一手間がなくなるだけで、現場に出てから計測を始めるまでのテンポが明らかに変わります。地味な変化ではありますが、日々の運用で効いてくる部分だと感じました。
持ち運びやすさも、ちゃんと考えられている
最後に、意外と見落とされがちなポイントとして、収納ケースの使い勝手についても触れておきたいと思います。
写真では少しわかりにくいかもしれませんが、この収納ケースがバックパックのような形状になっており、機材一式をまとめて背負って持ち運べるようになっています。おかげで現場への持ち運びがしやすく、機材一式をまとめて背負って移動できるのは、地味ながらも日々の運用のストレスを減らしてくれる工夫だと感じました。
Lixel K2、Lixel L2Proと比べてみると
Lixel K2との違い
Lixel K2 詳細ページを見る→https://www.kobeseiko.co.jp/xgrids/lixelk2.html
K2とは明確に住み分けができていると感じました。
約1,200gという軽さと、価格も本機の半分以下というコストパフォーマンスが魅力で、機動力や導入のしやすさを重視するならK2、精度と現場での完成度を求めるならL3という選び方になりそうです。
Lixel L2Pro
https://www.kobeseiko.co.jp/Lixell2pro.html
数値で見るLixel L2Proとの違い
まずは公式スペック上の数値を比較してみます。
リアルタイム・後処理後、いずれの段階でもLixel L3が上回っており、カメラのセンサーサイズや解像度も進化しています。Lixel L3では4K HDR撮影にも新たに対応しており、数値だけでなく撮影品質そのものも底上げされています。
加えて、これまで地面でしか取れなかったGCPが壁面でも取得可能になり、ポールを装着したままでも取れるようになりました。RTKモジュールも本体に内蔵され、着脱の手間がなくなっています。細かいところまでしっかり手が届く進化だと感じました。
キャスター付きの三脚に載せて計測することだって可能です!
Lixel L2 Proには、有効点群距離300m:32チャンネルという長距離モデルがラインナップされており、より広範囲・長距離の計測が必要な現場ではLixel L2 Proが引き続き選択肢になります。また、価格面でもLixel L3よりやや抑えられているため、コストを重視する場合にも検討の余地があります。
一方Lixel L3は、精度・撮影品質・現場での運用性のすべてにおいて一段引き上げられたモデルであり、少しでも高い精度やフォトリアリズムを求める案件、あるいは日々の運用効率を重視する現場に向いています。必要な測距距離や予算、求める精度水準に応じて選ぶのが良さそうです。
触ってみて感じたこと
数字だけでも十分に驚かされるスペックアップですが、実際に現場で使ってみると、それ以上の変化を感じました。ディスプレイに映る密度の高い点群、計測直後から座標変換まで終わっているデータ、壁面やポール越しでも取れるGCP、内蔵されたRTK。ひとつひとつは別々の機能ですが、実際に触ってみると、それらが噛み合って「現場でのひと手間」を着実に減らしてくれていることに気づかされます。Lixel L2 Proや他モデルを使ってきた方ほど、その違いはきっとすぐに伝わるはずです。スペック表だけを眺めていたときには気づかなかった発見も多く、実際に手に取ってみることをおすすめしたい一台でした。より詳しいスペックが気になる方は、製品ページもあわせてご覧ください。
製品ページはこちら:https://www.kobeseiko.co.jp/xgrids/lixell3.html
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株式会社神戸清光レポート担当:走出(航)